知的生産ブログ


 
 

山本 七平「「空気」の研究」中川 淳一郎「ウェブはバカと暇人のもの」では、問題行動として感情移入を捉えていた

感情移入(=共感)が非論理につながる機序(:メカニズム)に関して、岸田 一隆「科学コミュニケーション――理科の〈考え方〉をひらく」に記述がある。また、関係する、非論理を生む人間がもつ性質として"刺激等価性"が挙げられている:

岸田 一隆 : 科学コミュニケーション――理科の〈考え方〉をひらく (平凡社新書, 2011) pp.113-114.

 確率を苦手とするもう一つの理由は、先ほどから述べている、共感性の強さです。私たちは大事件や大事故や大災害の様子を報道などで目の当たりにします。すると、私たちはそれを自分の身の回りで起きたことのように共感してしまいます。...

 私たちには、確率的に起こりやすいことと起こりにくいことの区別が難しいのです。極端に言うと、どれも「同程度に起こりうる」ように思ってしまいます。確率は同じなのだから、被害が大きいリスクの方を恐れることになります。こうした心の働きは実に非論理的です。そして、それは人間の「刺激等価性」という心理現象と関係しています。

...

 人間以外の動物にはほとんど見られない人間特有の心理現象に「刺激等価性」というものがあります。「AならばB」という論理を学習すると、ほぼ自動的に「BならばA」という関係を結論するという現象です。


言い換えるならば、人間は頭の中に、「AならばB」ならば「BならばA」だと結論する、非論理的な思考回路(サブルーチン)をもっており、感情移入(=共感)の際には、その思考回路が何度も何度も使用される(そのサブルーチンが何度も何度もコールされる)。

「AならばB」ならば「BならばA」だと結論する誤りは、"ミクロな誤り"(要素の誤り)であり、それが使われて得られる、個別と一般の確率を同じだと認識してしまう誤りは、"マクロな誤り"(全体現象に表れた誤り)だと位置づけることができる。

以上から導かれる、肝に銘じるべきこと

・「AならばB」であっても、「BならばA」ではない。

・個別(確率が低い)と一般(確率が高い)を、切り分けて考えること。
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